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Heart of Darkness

(進捗状況: 企画段階)

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監督: Rogério Nunes
プロデューサー: Sébastien Onomo, Les Films d’ici
対象: 青年/成人
制作方法: 2D デジタル


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「Heart of Darkness」はJoseph Conradが1899年に発表した同名の小説 (邦題:「闇の奥」) を原作にした、フランスとブラジルの共同制作アニメーション映画プロジェクトです。監督のRogério Nunes氏の手によって、話の舞台は原作のアフリカからブラジルのリオデジャネイロに移され、Les Films d’ici (フランス) のSébastien Onomo氏のプロデュースの下、企画を進めています。

Animationweek編集部は、監督のRogério Nunes氏とプロデューサーのSébastien Onomo氏に、企画中の本作についてお話を伺いました。

監督・プロデューサー インタビュー

プロジェクトの始まり

Animationweek (AW): お二方の出会いと、一緒にプロジェクトを始めるに至った経緯を是非教えて下さい。

Sébastien Onomo (SO): 私が、2014年のアヌシー国際アニメーション映画祭で、Rogérioの本作品のプレゼンテーションを聞いたのがきっかけです。私は、彼の発表を聞きながら、作品の力強さとオリジナリティの高いストーリーに胸が高鳴り、発表後に私の方から彼に声を掛けて共同制作を提案しました。私には、彼のストーリーと世界観に、国際的に成功できる高いポテンシャルが見えたのです。

AW: Rogério監督、監督はどうしてこのプロジェクトを始めたのでしょうか。

Rogério Nunes (RN): 私は、数年前に原作小説「闇の奥」のブラジル版用のイラストを依頼されたのですが、それが私と原作小説との出会いで、その時に初めて原作を読みました。そして、「このストーリーは、新しく別の世界観で語ることも出来るのではないか」と思えました。原作の舞台はアフリカですが、ブラジルのリオデジャネイロでも小説と同じ事が起こり得ると。それから、企画を練って脚本を執筆し、MIFA (フランスのアヌシーで、アヌシー国際アニメーション映画祭と同時開催される国際映画見本市) にプロジェクトを送ったところ、長編映画企画案として応募された69作品の中から、発表の機会が与えられる6作品の中の一つに選ばれたのです。

AW: 監督は、構想当初から本作を長編映画として考えていらっしゃったのですか。

RN: 最初は、ブラジルで低予算映画をこのストーリーで制作しようと思っていました。しばらくして、ブラジルのテレビ局から、「短編シリーズを制作しないか」という提案を頂けたのですが、その時に、「長編映画化したい」という最初の自分の気持ちに立ち返ってみたのです。そして、映画館が本プロジェクトのサポートに積極的でいてくれたこと、Sébastienを含め、私が話した人達全てが、「映画化すべきだよ」と言ってくれたことが、映画化に向けて私を後押ししてくれた感じです。

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Picture 1: At the pitching session

フランスとブラジルの共同制作

AW: 映画のビジュアルはどのように決めたのでしょうか。フランスとブラジルの共同作業ですか。

RN: 私は、本作品の制作には、フランスとの共同作業が非常に重要だと考えています。それは、私達がヨーロッパのアニメーションのタッチを本プロジェクトに取り入れたいことはもちろん、フランスに2Dアニメーション制作に関して非常に素晴らしい歴史と伝統があるからです。「Boy and The World」や「A Story of Love and Fury」を制作してきているとは言え、まだ、ブラジルは、「どのように2Dアニメーションが制作されているか」を学び始めた段階で、2Dアニメーションを描ける人達があまりいません。だから、私が最初に考えたのは、「このプロジェクトに必要なアニメーターをフランスで集めて、ブラジルでは、それ以外のパート、背景、コンポジット、クリーニング、色彩設定などを担当する」みたいな事でした。

AW: フランスとブラジルとの共同作業を実際に始めてみてどうですか。

SO: 私にとって、共同制作の目的と方法は、非常にシンプルです。私がこの共同制作で目指すことは、ブラジルのDNAをしっかりと残しつつ、フランスチームが持つ豊富なアニメーションの経験でプロジェクトを強化することです。 つまり、作品の持つブラジルらしさを保持しながらフランスのテイストを戦略的に加えることで、プロジェクトのレベルアップを図って来ました。本作のような国際プロジェクトは、プロジェクト原案を考えた国が、共同制作チームから尊敬され続けることが非常に重要なのです。これは、脚本、音楽、アニメーションにおける表現全てに一貫した制作方針で、「その国らしさ」を残せる良い方法だと私は考えています。

プロデュース作品の決め方

AW: Sébastienプロデューサーに、映画のプロデュースについてお伺いします。今回、もう一つ「The Siren」というプロジェクトも発表されましたが、そちらも大人向け作品ですよね。プロデュースする作品は、どのように決めていらっしゃるのですか。大人が楽しめる作品を選んでいらっしゃるのでしょうか。

SO: 私の場合、なによりもまず、私という最初の観客を魅了できるかどうかです。私は、私自身が「観たい! 」と思う作品をプロデュースしたいからです。私はこの感覚を大切にしています。そして、私の鑑賞に耐え得るテレビ作品や劇場作品は、大人でも楽しめる作品になると思います。プロデュース作品選びにおいて、私にとって次に重要になってくるのは、独創的な視点と映像です。これは、私が、作品制作においてストーリーそのものと映像スタイルにフォーカスしていくからです。アニメーションをプロデュースする際には、これらの点を検討しています。実は、家族向け作品を一つ担当しているのですが、家族向けであっても、やはり、非常に強いテーマと独創的な視点を持ち合わせた作品ですね。他には、私が、自分と同じ世代の人達に語り掛けたいと思っていることも、私が、子供向け作品では無く、大人向けのアニメーションに集中している理由だと思います。私がプロデュースする作品が、私のDNAを持ち合わせていて、仲間達から、「Sébastienはこういう作品をプロデュースする人間だ」と認識されたいと思っているので、私は、自分の作品選びにおけるこれらのポイントを非常に重要視しています。

AW: 両作品とも非常に力強い企画ですよね。

SO: 実は、その作品のプロデュースが困難かどうかには、私はあまり興味が無いのです。私は、ただ、力強いストーリー性のある作品を観客に届けたいのです。

AW: Rogério 監督は、どのように作品を選んでいるのでしょうか。意図的に大人向けの作品を選んでいたりするのでしょうか。

RN: 私が最初に考えたことは、「Heart of Darkness」の世界観を作り上げることでした。そして、国によって観客層が多少異なりますし、たぶん、ブラジルでは、ヨーロッパマーケットよりも少し若い層にまで訴求できると思いますが、いずれにしても、当初から明確に大人向け作品です。一方で、アクションシーンや深い心理描写など様々な異なる魅力的要素を持っている作品なので、その多様性ゆえにヨーロッパとブラジルのそれぞれの観客に幅広く楽しんで貰えるとも思っています。個人的には、ヨーロッパでは20から25もしくは28歳くらいまで、ブラジルではもう少し若くて、16から20歳くらいまでが観客の中心層になるのではと思っています。

大人向けアニメーション作品の難しさ

AW: 本プロジェクトにおいて、今までに、どのようなチャレンジや困難を経験されましたか。

SO: 映画を制作することは壮大で濃密な冒険ですが、その冒険・挑戦に一緒に挑んでくれるように放送局を説得することが、私達にとっての最大の難関ですね。特に、大人向け作品のパートナーになってくれるように放送局を説得する作業は、壁を、それも、物凄く大きな壁を築く大工のような感じです。

RN: 大人向けアニメーション作品について、その魅力や素晴らしさを含め、一般の人の認知を広げて行く作業は、まだ準備段階かなと思っています。なにぶん新しい概念なので、広く一般に受け入れて貰うには、もう少し時間が掛かるでしょうね。

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Picture 2: Action

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Picture 3: A scene from the teaser

今後が楽しみなフランスとブラジルのコラボレーション

トレーラー映像を見た方は既にお気付きかもしれませんが、躍動感溢れるアクションや、非常に美しく描かれたリオデジャネイロの街など、物語のワクワク感が伝わって来るアニメーションに仕上がっています。Rogério Nunes氏が、Cartoon Movieでのプレゼンテーションで発表された通り、アクションシーンの視点を塾考しており、ストーリーが展開するリオデジャネイロの街の喧騒が良く表現されていて、Mathias Lachal氏によるキャラクターデザインも大人向け作品である本作に良く合っています。

本作は、資金の目処が立ち次第、2017年初頭から制作に入る予定で、2018年の劇場公開を目指しています。本作品は引き続き、出資者 、放送局、フランス国内及び世界展開の配給会社を募集しています。

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Picture 4: Beautiful background

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Picture 5: Beautiful background

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Picture 6: Beautiful background

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Picture 7: Beautiful background

あらすじ

舞台は近未来のリオデジャネイロ。警官マーロウに、 謎に包まれた失踪を遂げた有名なクルツ警部を捜索する任務が言い渡されます。そして、マーロウは、危険を犯して、ボートでリオデジャネイロの郊外へ向かうのでした。


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2016年3月14日~18日

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