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イギリスで劇場公開中の『Kubo and the Two Strings』が、スイスのバーデンで9月6日から11日に開催されたFantoche International Animation Festivalでプレミア上映された。『Kubo and the Two Strings』は、クボという名前の賢く心優しい少年を中心に展開する古き時代の日本を舞台にしたアクション冒険活劇だ。クボは仲間の猿と甲虫と冒険の旅に出て、偉大な侍として知られる父親が亡くなった謎を追いかけ、家族を救おうとする。本作品は、『コララインとボタンの魔女』(2009)、『パラノーマン』(2012)、『ボックストロール』(2014) で知られるスタジオLAIKAが制作している。

フェスティバル開催期間中の9月9日に行われた「メイキングKubo and the Two Strings」では、LAIKAからMark Shapiro氏が登壇し、この壮大な作品の創作過程を講演した。講演後、Shapiro氏に、どのように本作が形作られたのかインタビューする機会を得られたのでお届けする。

Mark Shapiro氏のインタビュー

本物を目指す姿勢

Animationweek (AW): どのような経緯で日本が舞台のストーリーで新作映画を制作することが決まったのですか。

Mark Shaprio (MS): 実は、本作品の監督であるTravis Knight氏が子供の頃に日本滞在経験があって、その時、彼が瞬時に日本の文化、美しさ、豊かな伝統に心を奪われたことがきっかけです。彼が日本で出会った考え方と視覚的表現、そして、彼のストップモーションへの情熱を融合させて、深い物語を紡ぎたいと思ったのです。

AW: ストーリーの最初の着想はどこから得たのでしょうか。

MS: 監督と脚本家が、陰謀・美しさ・壮大な冒険というテーマの上に、物語を展開させたいと考えたのが始まりです。

AW: 世界観とストーリーは、日本の伝統文化と日本古来の物の考え方が下敷きになっていますが、どのようなリサーチを行ったのでしょうか。

MS: 日本の伝統と文化に敬意を表すために広範囲に及ぶリサーチを行ないました。本作における全てのアイデアとビジュアルは、本物に基づくべきですからね。その結果、リサーチは、作品制作プロセスの中でも特に素晴らしい作業になりました。

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3DCGIとストップモーションの統合

AW: 作中のアクションシーンは、ダイナミックでスピード感がありました。アクションシーンの制作・撮影時におけるエピーソードは何かありますか。また、折り紙を使ったアクションシーンは、どのように制作したのでしょうか。

MS: まず、伝統的なストップモーションと最先端のビジュアルエフェクトを細部まで統合した共同作業があります。そして、それにパペット、手作業で作り込んだ凝った複雑なコスチュームと美術セットが一緒になることで壮大なアクションの動きを実現させました。映像を形作る全ての構成要素が調和することによって、フレームごとに特有の映像の美しさを作り出したのです。

AW: 同時に何人のアニメーターが作業されたのでしょうか。

MS: アニメーターは30名です。他にも、パペットや舞台制作をするアーティストに始まり、ストーリーボード・人形の骨組みの制作をするクリエイターやコスチュームデザイナー、非常に膨大な映像美術の機材の制作をする人達を含めると、総勢400名以上のスタッフが本作品の制作に関わっています。

AW: アニメーション撮影をする時点で、作品の世界観は既に出来上がっていたのでしょうか。

MS: 最終的には、世界観というのは、監督、プロデューサー、アーティスト、制作デザインチームによって形作られていくものです。なので、彼ら全員で一緒にキャラクターのビジュアルや 雰囲気、そして、舞台 (背景) を作り上げていきました。

背景美術の美しさ

AW: 背景美術が、非常に美しく壮大でした。特に海のシーンは素晴らしかったです。どのように背景を制作されたのか教えて下さい。制作時に新しく挑戦したことや難しかったことは何かありますか。

MS: 背景は、映像の前面に出て来るアートワークと同等に美しく正確でなければなりません。豊かな自然のシーンでは、背景はその豊かさを表現し、荒涼とした場所であれば、その荒れた雰囲気を出し、陽気なシーンでは背景も陽気でなければならないのです。その為には、正確性・タイミング・技術の全てが明確でなければならず、制作過程ではどのプロセスもステップも挑戦の連続でした。

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音楽について

AW: 本作では、音楽はどのように制作されたのでしょうか。映画の制作工程のどの段階から音楽の作曲を始めたのでしょうか。

MS: 音楽は、物語の全ての構成要素に自然に溶け込んでいなければいけません。映画と調和して、詩的にシーンを動かしていく必要があります。制作チームは、作曲家と一緒に、それが壮大なバトルや戦いの始まりであったとしたら、それぞれのシーンに合った音楽や音を用意していきます。劇中のアニメーションを反映し包容する音楽であるべきですからね。

劇場で最高の経験を

AW: この映画のどのような点を、どんなシーンを、観客に一番楽しんで貰いたい、 もしくは、見て欲しいと思っていますか。

MS: 個人的に非常に重要な点は、ストーリーであり、そして、ストーリーがどのように動き、どう展開していくかですね。私達は、作品のストーリーと登場人物に入り込めると、それらが凄く気になって考えますよね。だから、作中の各シーンのその瞬間を感じて大事に思って貰えることが大切なんだと思うのです。それによって、この映画を観てくれた人達に、1日経っても、1週間経っても、1ヶ月経っても、劇場での経験にワクワクし続けて欲しいのです。壮大な冒険、素晴らしい登場人物と息を呑むような映像表現が、観客の心に響いて忘れられない経験になってくれることを願っています。

あらすじ

『Kubo and the Two Strings』は、幻想的な日本を舞台にした壮大なアクション満載の冒険活劇である。賢く心優しい少年クボは、海辺の町で、ホサト、アキヒロ、カメヨを含めた人たちに物語を聞かせながら、つつましく暮らしていた。ところが、クボは、偶然にも、彼の過去から霊を呼び出してしまい、それは天国から嵐のように吹きおろし、過去から繋がる長きに渡る抗争へ巻き込まれ、彼の静かな暮らしは終わりを告げる。

クボは、猿と甲虫と協力して、彼の家族と世界で最も偉大な侍として知られる亡くなった父親の謎を解き明かす冒険に出る。魔法の三味線の力を借り、クボは、復讐心に燃えるMoon Kingや悪魔の双子姉妹を始めとする神々や怪物と戦い、彼の家族に隠された過去の秘密を解き明かし、再び家族を一つにして英雄的運命を全うする。

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