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Lone

(進捗状況: 構想段階)

CM024

監督 兼 プロデューサー: Sergio Laguarda
制作: BEROOUND (スペイン)
対象: 青少年
制作方法: 2D&3Dデジタル


「ビクトリア朝時代のロンドンで最も恐れられた‘切り裂きジャック’。もし、あなたが、その唯一の目撃者になったとしたら?」この質問が、プロデューサーであり監督であるSergio Laguarda氏が、オリジナルの長編アニメーション映画「Lone」の制作を始めるきっかけになりました。本作品は、切り裂きジャックの正体を見てしまった7歳の孤児Loneを中心にストーリーが展開します。Loneは旅芸人の一行と出会うのですが、彼らは各々に特技を持っています。そして、Loneは、彼らの助けを得ながら、ビクトリア朝の霧深いロンドンにて切り裂きジャックの謎に迫る冒険を始めます。Laguarda氏の膨大で緻密なリサーチをベースに制作される本作は、これまで数多く語られてきた切り裂きジャックのストーリーに、新たに「希望」をテーマに斬新な視点を取り入れることで、家族向け作品としての映像化にチャレンジしています。

チャールズ・ディケンズから得た着想

切り裂きジャックの物語に希望というテーマはそぐわないと思われる方もいるかもしれませんが、Laguarda氏は、チャールズ・ディケンズの作品から、希望をテーマにした本作へのアプローチの着想を得たと言います。チャールズ・ディケンズの主要作品には、「オリバー・ツイスト」、「大いなる遺産」、「クリスマスキャロル」などがありますが、彼は、ビクトリア朝時代のロンドンの下級階級と貧困の問題に最初に目を向けた作家の一人で、その難しいテーマを、ユーモアを交えて希望が持てる物語に仕上げた匠な作風でも知られています。

Laguarda氏は言います。「チャールズ・ディケンズは、ビクトリア朝の困難な時代の現実と、それでもそこに見出だせる希望を、リアルに且つ豊富なユーモアを交えて語ってくれます。私は彼のようにストーリーを紡ぎたいと考えています。困難な時代の貧困や悲惨な現実をストーリーとして語る際には、生きる力を人に与える希望を語る必要があると思うのです。」

Laguarda氏は続けます。「誰しも人生には困難な時期がありますが、『その困難に恐れずに立ち向かうべきだ』と私は本作で伝えたいのです。チャールズ・ディケンズは、『自分自身の可能性は挑戦するまで分からない』と言いました。また、私が幼い頃、いつも父が、『さあSergio、やってみよう』と、そっと背中を後押しする言葉を私に掛けてくれました。この作品を通して、このようなメッセージを伝えていきたいと思っています。」

プロジェクトの始まり

「Lone」プロジェクトの最初のアイデアは、Laguarda氏がイギリスのSouth Wales大学で学んでいた際の卒業制作から来ています。そして、卒業から5年の歳月を経て、卒業制作の作品からストーリー全体の構想を大々的に変え、満を持して映画化に向けて大きく動き始めたそうです。

Laguarda氏は、幼少時代からチャールズ・ディケンズ作品と切り裂きジャックに対して個人的に高い関心を持ち続けています。「子供の時に『オリバー・ツイスト』に出会ってからというもの、私はすっかりチャールズ・ディケンズの世界観に虜になってしまいました。また、幼少時に観た切り裂きジャックの謎についてのテレビ番組や映画も同様に私を惹き付け、それを機に切り裂きジャックについて調べ始めました。」

現実とフィクションの融合で最高のストーリーになる

Laguarda氏のアイデアと創造性は、綿密かつ詳細なリサーチを経て、長編映画用のストーリーへと昇華されました。2001年から本格的なリサーチを開始して、 切り裂きジャックの日記などの文献リサーチ、ロンドンのホワイト・チャペル地域・牢獄・チャールズ・ディケンズの家などへの実地リサーチ (フィールドワーク) を行って来ました。それらが「Lone」の世界観の力強い基礎になっています。

「切り裂きジャックの日記を主軸にして私はリサーチを行いました。例えば、彼の犠牲者であるメアリー・ジェーン・ケリーが死亡した日がどんな日であったか を彼は記しているのです。他にも、古書店に頻繁に足を運んでは、チャールズ・ディケンズと切り裂きジャックに関する書籍を数多く購入しました。切り裂き ジャックに関する書籍は全て読んだと思います。私は、ありとあらゆる情報を集めました。そして、私は、こうした一連のリサーチで得た情報全てを机の上に広 げて、ストーリーの構想を検討していくのです。切り裂きジャックも、その犠牲者も、全員が実在した人物であり、本作は事実をベースにしたストーリーです。 私にとっての最高のストーリーとは、現実とフィクションを持ち合わせているものなのです。」

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Picture1: White Chapel

作品の世界観の中核を成す美しいビジュアル

Laguarda氏が、ビクトリア朝時代のロンドンという「Lone」の舞台設定に合わせて制作中のビジュアルは、洗練されているだけではなく、ストーリーにマッチした謎めいた雰囲気が漂っています。

Laguarda氏の頭の中には、最初から「Lone」のビジュアルイメージがあったそうですが、登場キャラクター達のイメージにリアリティを加えるためのリサーチも沢山行ったと言います。「例えば、本作品で架空の人物として描かれる旅芸人達をデザインする為に、ビクトリア朝時代の実際の芸人について沢山調べました。私は、喜劇役者のスカラムーシュの映画や小説の様なイタリアのダークコメディのファンで、イタリアの即興喜劇 (コメディア・デラルテ) に登場するアルレッキーノ、プルチネッラ、コロンビーナ、そしてパンタローネなどの有名なキャラクターも大好きなのですが、これらの事実に即した沢山の情報が、本作のビジュアルの制作に影響を与えています。私は、私のオリジナルのストーリーであり且つ魅力的な作品を作りたいので、事実ベースで着想を得ては、その形を変えることでキャラクターを創造してきました。」

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Picture2: Main characters

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Picture3: Items

「Lone」- 希望の物語 –

本作品のジャンルは、切り裂きジャックというテーマに定番のホラー映画ではなく、Laguarda氏がチャールズ・ディケンズの軌跡を遡ることで辿り着いた、ユーモア溢れる冒険物語のエッセンスが詰まった家族向け作品です。切り裂きジャックのストーリーをベースに家族向けアニメーション作品を制作することは、困難な挑戦と思われるかもしれませんが、Laguarda氏の想像力、独創性、豊富なリサーチ、そして何よりも情熱が、本企画の実現性を約束してくれていると思います。

また、彼は、本作の非常に美しい映像で、作家が自身の物語と創造力に合う世界観をゼロから作り上げることが出来るという、アニメーションとイラストレーションが持つ素晴らしい力を体現しています。

Animationweek編集部は、本プロジェクトが結実し、最悪の殺人犯の目撃者になっても明日への希望を持って生きるLone少年と一緒にビクトリア朝時代のロンドンを冒険する日が、今から楽しみです。

あらすじ

19世紀末のビクトリア朝時代のロンドン。ある晩、途方も無い額の富と絶望的な貧困の両方で名を馳せたその都市で、牢に閉じ込められて人に売られそうになっていた7歳の孤児Loneは、彼にとって新しい人生を始められる唯一の希望になれるはずだった売春婦のMaryに偶然に出会います。しかし、彼女を待っていたのは全く別の運命でした。彼女は、偶然にも切り裂きジャックに出くわしてしまい、Loneは彼女の惨たらしい死の唯一の目撃者になってしまうのでした。旅芸人の一行 (Oldie、 Giant、Doc、Bearded Lady、Mute、そしてBallerina) に助け出されたLoneは、彼らの助けを借りながら、そして、彼らから人生の闇と光を教わりながら、史上最も有名な殺人事件の解決に挑んで行きます。


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