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2016年5月27日から29日まで、英国ロンドンでLondon Comic Conが開催され、13万3,000人以上の来場者を記録した。5月28日 (土) には、ガンダムシリーズ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』第3話 の「暁の蜂起」が特別先行上映され、上映後にプロデューサーの谷口理氏とメカニカルデザイナーの明貴美加氏の両氏による講演とそれに続く質疑応答が行なわれた。詰め掛けた多くのファンの中には 、『機動戦士ガンダム』のキャラクターの衣装を着たファンも見受けられ、会場は終始熱気に包まれていた。今回、Animationweek編集部による谷口理氏と明貴美加氏へのインタビューと合わせて、両氏の貴重なお話をお届けする。


ガンダムシリーズとは

富野由悠季監督、株式会社サンライズ制作のテレビアニメーションシリーズ『機動戦士ガンダム』が初めて放映されたのは1979年。戦争を舞台にした深く練られた人間ドラマと、高い科学考証をベースにリアルに人間の宇宙進出後の世界、そして、人が搭乗する戦争兵器「モビルスーツ」という巨大な人型ロボットを描いたSFストーリーで、1980年代前半に日本にて社会現象を引き起こし、日本のロボットアニメーションの金字塔と言われている。

以降、『機動戦士ガンダム』の多くの後日談やサイドストーリーが映像化されており、また、『機動戦士ガンダム』とは世界観や舞台設定が違うが「ガンダム」という名の巨大人型ロボットが登場し、タイトルに「ガンダム」という名が冠されているテレビアニメーションや映画も多数制作され、そのどれもが多くのファンを獲得・魅了し続けてきている。子供から大人まで幅広い年齢層を魅了してやまない一連の「ガンダム」に関連するアニメーション作品は「ガンダムシリーズ」と呼ばれ、日本のアニメーション業界屈指のビッグタイトル群となっている。また、派生トイとしてプラモデルも30年以上衰えることのない人気を誇っている。なお、不朽の名作として日本国内外にて広く認知されている『機動戦士ガンダム』(1979)は、ファンや日本のアニメーション関係者の間では、「ファーストガンダム」とも呼ばれている。ファーストガンダムでは、地球連邦とジオン公国との戦争が描かれていて、地球連邦のパイロットでガンダムを操縦するアムロ・レイと、ジオン公国のエースパイロットであるシャア・アズナブルの2人を中心にしてストーリーが展開する。


London Comic Con 特別講演レポート

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』第3話 の「暁の蜂起」先行上映後の特別講演は、谷口氏と明貴氏の紹介から始まった。

谷口氏は、『未来少年コナン』が好きでアニメーション業界を目指し、トムス・エンタテインメント社を経て、株式会社サンライズにて『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のプロデューサーになったことが紹介された。

明貴氏は、好きなアニメーションはガンダムシリーズであり、アニメーションの仕事に携わるきっかけになったこと、また、模型の制作や『スター・ウォーズ』、『トランスフォーマー』、『アイアンマン』などの玩具のコレクションが趣味であることが話された。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』プロジェクト

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次に、谷口氏がプロジェクト概要を説明された。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』は、安彦良和氏の同名作を漫画原作としたアニメーションシリーズである。安彦氏による漫画には、ファーストガンダムで描ききれなかったシャアと妹のセイラの生い立ちなどを含む新作のエピソードが追加され、ファーストガンダムのストーリーにも新たに安彦氏の解釈が入っている。なお、漫画プロジェクトには、ファーストガンダムのメカニカルデザイナーである大河原邦男氏が参加している。

そして、漫画が完結した5年前に、満を持して『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のアニメーション化プロジェクトが始動した。元アニメーターでもある安彦氏を25年ぶりに総監督としてアニメーション制作に迎え、ファーストガンダムの監督の富野由悠季氏は参加していないが、ファーストガンダムの産みの親ともいえる安彦氏と大河原氏の2人が関わる作品となっている。日本では、去年からイベント上映が始まっている。

漫画原作と本作の監督を担当された安彦氏は、1947年12月9日生まれの北海道出身。虫プロダクションでアニメーションに携わり始め、有名なアニメーション監督作品には『クラッシャージョウ』と『ヴイナス戦記』がある。有名な漫画作品には『アリオン』などがあり、現在も2つの作品を執筆中である。日本のアニメーション業界には、安彦氏の影響を受けたクリエイターが沢山いる。

なお、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』には以下の3人のメカニカルデザイナーが参加されている。

  • カトキハジメ氏:『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではガンダムやザクなどモビルスーツを中心に担当。最近では『機動戦士ガンダムUC 』でもメカデザインをされている 。
  • 山根公利氏:『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではガンタンクやモビルアーマー、61式戦車など車両を中心に担当。株式会社サンライズ制作アニメーション作品では 『カウボーイビバップ』にてメカニックデザインを担当。
  • 明貴美加氏:ムサイやサラミスなどの戦艦や戦闘機を中心にメカデザインを担当。

メカニカルデザインのプロセス

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続いて、明貴美加氏が、本作のメカデザインの流れを解説された。

資料1は、決定稿にする前段階のラフデザインで、左側のイラストと右側の修正版イラストとで細部が異なっている。安彦氏の漫画に描かれている同じ戦艦のデザインが、コマによって若干違うことから、その違いを全て盛り込み、明貴氏が提案したものだ。

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資料 1

次に、総監督の安彦氏と今西隆志監督によるデザインのチェックが行なわれ、許可を貰った後に清書 (クリーンナップ) 作業が行なわれる (資料2)。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』は、メカの大半が3DCGで描かれるため、明貴氏が描いた2Dの絵を3Dモデラーに渡すための追加作業が発生することがある。

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資料 2

ガンダムのデザインプロセス

ガンダムのデザインプロセスについて、引き続き明貴氏が説明した。

資料3の左側は大河原氏が漫画用に描いたガンダムのデザイン、右側は様々な試行錯誤を経て描かれたカトキ氏によるアニメーション用のデザインだ。

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資料 3

資料4の1番左側は、カトキ氏の描いた新しいガンダムの設定画、左から2番目は、それに配色テストを行なったものである。ガンダムの色には、大まかな決まりがあるが、制作された時代によって、時代を反映した若干の違いがあるという。例えば、 Vアンテナという部分は、白の時や黄色の時があり、肘、膝、手首などの関節の色は、初代は白であったものが、ガンダムシリーズの歴史が何十年と積み重なることで、メタルの色がいいのではないかという認識に変わってきているそうだ。左から3番目は、色彩設計の安部なぎさ氏が、アニメーション用の決定配色を指定したものである。この時点で Vアンテナの色が白となった。一番右側は、3Dチームが作成した3Dモデルだが、見た感じが、手で描いたものと、あまり変わらない仕上がりとなっている。

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資料 4

ガンダムとプラモデル開発

ガンダムシリーズは、アニメーション作品と「ガンプラ」という愛称を持つプラモデルシリーズがメインの商材であること、そして、最初のガンプラは1980年の7月に発売され、現在までに累計で4億5000万個以上のガンプラが販売されてきており、そのラインナップは約1000種類以上にのぼるとことが谷口氏より紹介された。続いて、明貴氏によって『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のガンプラ商品の一部 (資料5) が紹介された。

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資料 5

上段の一番左側: 今回、メイン商品として開発された『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』で登場予定のRX-78-02 ガンダム。「マスターグレード」と呼ばれるプラモデルシリーズにラインナップされ、実際の大きさの100分の1のサイズとなる。

上段の真ん中: MS-05ザクⅠ(制作者側では「旧ザク」と呼称)というモビルスーツで、第3話の ルウム戦役で登場予定。

上段の右側:YMS-07B-0プロトタイプグフというモビルスーツ。本編に登場するグフというモビルスーツの試作型。

下段の左側:YMS-08B ドム というモビルスーツのテストタイプ。アニメーションシリーズ『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の本編映像には登場しないが、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のストーリーの中でのモビルスーツの開発史を追う別企画MSD (Mobile Suit Discovery) が展開されていて、それに基づき制作された商品。

下段の右側: MS-06R高機動型ザクⅡというモビルスーツ。ザクはファーストガンダムからメインの敵のモビルスーツとして登場しており、このグレーのカラーリングのザクは、黒い三連星と呼ばれるガイア、オルテガ、マッシュという3人組のシャアのライバルにあたるキャラクター達が搭乗するモビルスーツとなる。

日本におけるガンプラ文化

谷口氏によると、日本では37年前にファーストガンダムのテレビ放送が始まり、その人気の高まりとの相乗効果でガンプラ人気に火がついて次々と商品が発売されてきた。ガンプラの特徴としては、「手に取って自由にポーズを変えて遊べる」、「子供でも手軽に作れる簡単な設計」、「自分で色を塗ってオリジナルカラーの機体を気軽に作れる」などあり、これらが日本でガンプラ文化が発展した理由ではないかと谷口氏は分析しているそうだ。 現在は、海外13カ国で発売されており、特にアジア圏では絶大な人気を誇り、フランスでも流通が始まったという。

第3話と第4話の見どころ

続いて、谷口氏が『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の第3話と第4話の見所を紹介した。

第3話の見所として谷口氏が挙げたのは、ファーストガンダムの人気キャラクターであるガルマ・ザビの登場と、彼のシャアとの出会い、そして、開発途中のモビルスーツの姿を見ることができることである。また、第3話の制作過程で、ファーストガンダムにてシャアが付けている仮面をシャアに渡すキャラクターの重要性を鑑み、脚本家の隅沢克之氏に「重要なキャラクターを作って欲しい」と依頼、漫画原作には登場しないが、シャアに仮面を渡すリノ・フェルナンデスというキャラクターが誕生し、登場することも見所として挙げた。そして、後にジオン公国は地球連邦からの独立を果たすが、その独立戦争の引き金となるのが、第3話で描かれている「暁の蜂起」であり、是非、シャアやガルマなどの若い人達の戦いを見て貰いたいと述べた。

第4話「運命の前夜」(2016年秋日本先行公開予定)の見所としては、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』シリーズで初めてモビルスーツの戦いが描かれる点が挙げられた。それは、月で起きる『機動戦士ガンダム』の世界での最初のモビルスーツの戦闘で、シャア、ランバ・ラル、そしてのちの黒い三連星という3人組のエースパイロットの5人が仲間として一緒に地球連邦のガンキャノンという機動兵器と戦う。また、第4話では、ララァ・スン、マ・クベ、リュウ・ホセイ、カイ・シデンなど、ファーストガンダムの人気キャラクター達が続々と登場することにも注目して欲しいと谷口氏。映像的には、スペースコロニーが地球に落とされるというファーストガンダムでは描ききれなかった映像の再現に挑戦しているという。

第4話のラスト には、ジオン公国が地球連邦に対して宣戦布告を行ない、物語は次のルウム編へと続いていくのだが、既にルウム編の映像制作は決定しており、日本では2017年公開予定である。第1話の冒頭にてルウム会戦の短い映像を、板野一郎氏に絵コンテと演出を担当して頂いて描いているが、この会戦の全容の映像を現在制作しているとのことだ。ルウム編の後、物語はファーストガンダムに続くことになる。最後に、ファンの支持があれば、ファーストガンダムで描かれた一年戦争をリメイクするチャンスが出てくるので、皆さんの支持が集まることを期待したいという谷口氏の締めの言葉で講演は終了した。


インタビュー

Animationweek (AW): 明貴さんは沢山のアニメーション作品に参加されてきていますが、特に思い入れのある作品、例えば、特にデザインの仕上がりに満足されている作品、制作過程で非常に苦労された作品など、個人的に印象的に残っている作品についてお聞かせ下さい。

Mika Akitaka (MA): ガンダム関連の仕事に限って言いますと、『機動戦士ガンダム 0083』が割と今までの中ではベストを尽くせたかなと思っています。当時作品に関わっていたカトキハジメ先生や河森正治さんなどと一緒に集まって、「こういうモビルスーツを出したい」と言うラフデザインを作成したのですが、それが「じゃあ、出そうか」とほぼそのまま採用されまして、それって作品世界を形作る1つの柱となるわけですから、それをガンダム という作品でできたことは嬉しかったですね。模型のことも考えながら、作品世界を考えるとこの様なデザインのモビルスーツが出てくるみたいな、そういうことができたのは楽しかったです。

AW: 模型のことを考えながらとおっしゃいましたが、ガンダムシリーズでは、メカデザイナーの方々はプラモデルの商品開発にも関わられるのでしょうか。

Osamu Taniguchi (OT): 携わりますね。

MA: 先程、名前が出ましたが、特にカトキ先生は、ご自身から積極的にプラモデルの設計まで踏み込んでお仕事されていますよ。私はそこまではしていませんが。

AW: 明貴さんは具体的にどの様に開発に携わってこられたのでしょうか。

MA: プラモデルの見栄えもありますし、これはバンダイさんに限られたことでは無いと思いますが、例えば、あるガンダムのプラモデルの企画で使えるランナーが3枚だけだったとします。そうすると、バンダイの開発部の設計担当の方達が、その3枚の中にどうパーツを配置していくのかを考えるのですが、全てのパーツを配置しきることができない場合には、商品企画を実現する為に、「このデザインだと配置するスペースが無いけれども、この様なデザインだと配置できるのですがデザインを変えることはできますか」と質問をされてきます。それに対して私は、「こうリデザインすれば入るのでしたら、では、こうデザインしたらどうですか。これでも入るのではないでしょうか」みたいなやりとりをするわけです。

AW: 日本のアニメーションにはサイエンスフィクションの作品が多く、そして、メカデザイナーの皆さんの素晴らしいデザインが作品の魅力をおおいに高めていると思うのですが、日本アニメーションの中のメカデザインと、実写作品を含め欧米の多くのサイエンスフィクションの名作におけるメカデザインを比較した時に、明貴さんにとって日本オリジナルもしくは日本らしさを感じるデザインですとか、欧米作品からの影響や学びを感じるデザインがありましたら、教えて下さい。

MA: 日本のアニメーションのデザインは、もともと絵で描かないといけないという前提があったことも影響して、キャラクター性を強く押し出すことにかなり成功していると思います。それも、極力省略をしたデザインで。これは、絵で描くのが大変にならない様にする為ですが、メカデザインの一部を省略してシンプルなシルエットにすることで、アニメらしさが出たり、キャラクター性が強くなったり、ガンダムは特にそういうデザインだと思いますね。白いヘルメットに角を付けて、眼と口あてという、非常にわかりやすいデザインですよね。最近は3DCGの技術が凄く発達してきたので、ちょっとやそっと複雑なデザインでも大丈夫な様にはなってきていますね。

逆に、欧米のデザインは、とにかく昔からディテールが沢山入ったデザインになっていて、観客に対してそれがリアルなのだと見せている。実際、そういう文化なんだと思うんです。例えば、映画『アポロ13』でのサターンロケットですが、普通に大雑把に絵で描くと尖った鉛筆の様な型 になりますけれども、傍に寄って見ると、非常に細かい配管などがあって、あれがリアルで、彼らはあれが実際に飛んでいるのをその目で見ている訳だから、そうじゃないと本物に思えない。その文化が顕著に現れた作品が『スター・ウォーズ 』だと思うんです。ゴチャッとしているじゃないですか、でも、それでいてもシルエットの判別ができるデザインになっているのが、そこがエポックメイキングなところだったと思うんです。

最近、日本も段々とそういうデザインを取り入れてきているんですが、ただ、 あまりにも細々とデザインし過ぎると、今度は実写なのかアニメなのかわからなくなってきてしまうので、それだったら最初から実写を制作した方が良い気もします。でもまあ、日本だと実写作品の制作はなかなか実現できないですからね。

AW: 『∀ガンダム』は日本人デザイナーではなく、シド・ミード氏がガンダムをデザインされましたが、一目でガンダムだとわかる象徴的なデザインは踏襲されつつも、私には、「だいぶ趣が違うなぁ」と感じたのですが、こちらは、今お話しされた、省略しないで細部までデザインするという欧米のデザイン哲学とはまた違う欧米らしさなのでしょうか。

MA: うまく言えないですけど、とにかく、少なくともこの発想は日本からは出なかっただろうと思っています。シド・ミード氏に直接お会いしたことはありませんが、私達の様なデザイナーにとって師匠の様な存在ですから、「あのシド・ミード氏にガンダムをデザインして貰えるなんて凄い!」というのが正直な感想です。

AW: 日本のアニメーション制作の全行程の、どの段階からメカニカルデザイナーはプロジェクトに参加されるのでしょうか。

MA: それは作品によってバラバラですが、谷口さん、サンライズさんのガンダムシリーズですと、まずはガンダムをデザインすることから始まりますよね。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ですらそうですよね。

OT: 基本的には、設定などは脚本から作って、「こういうシーンが登場するから、こういうキャラクターが登場するから、こういうモビルスーツが登場するから、明貴さん是非デザインを考えてみて下さい」というのが普通の流れですね。もしくは、その前の企画書を作る時点で、「こんなガンダムが欲しい。こういうキャラクターにしよう」といった土台になるようなラフのイメージイラスト用にメカデザイナーの方にデザインの発注を始めている場合もあります。その後のステップは、どんどん打ち合わせを重ねてデザインが完成して絵コンテの段階に入ってから、「もう少しここをこうしたい」みたいにギリギリまでデザインを微調整する場合もあれば、早い段階で決めて変更しない場合もあります。

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』の場合は3DCG作画をしますが、実は、アニメーターにラフ絵で動きを描いて貰ってから、その動きに合わせてCG動画を作成しているので、CGアニメーションの作業を始めるギリギリ前までデザイン変更はできるのですが、とは言ってもCGモデルを予め制作しておかないといけないので、通常は原画作業中に並行してCGモデルを作成しますから、それまでにはデザインは決定させる感じですね。

MA: 完成映像ではモビルスーツはCGアニメーションですが、CGにアクションを付ける前段階で2Dアニメーターの方々がアニメーション完成イメージをビジュアル化しているということですか。

OT: CGスタッフが原画を見てその上にCGを置いていくだけでよい様に、アニメーターの方々にラフ原画を描いて貰っています。そして、CGアニメーターは原画と原画の間の動画にあたるアクションを付けていきます。また、モビルスーツのアップの構図や、ディテールを描いた方が良いシーン、止め絵のシーンなどでは、手書きの鉛筆原画を使うこともありますし、エフェクトもCGの場合も手書きの場合もあります。CGと手書きの両方の良さを活用して、視聴者により良い2Dアニメーション作品をお届けする努力を続けています。

AW: 明貴さんがメカニカルデザイナーとして成功された秘訣、もしくは、若き日々の経験の中でデザイナーとしての仕事におおいに役立っていることなどがありましたら、是非お聞かせ下さい。

MA: 頼まれた仕事は極力引き受けるということでしょうか。最近、頼まれた案件を断っちゃう人を目にしますが、それは勿体無いなあと思います。事情でできない場合もありますけれど、どんな仕事も絶対に後で活きてきますし、僕は基本的に自分のところに仕事の案件がくることについては良いことばかりだと思っています。仕事としてやったことは全部、デザインのプロセスにしろ、完成デザインにしろ、成果物として絶対に残るわけですし、同じ作品に関わった人も覚えていてくれます。

黙っていても仕事が舞い込んでくることは無いですから。頂いた仕事はなるべく引き受けて確かな物を作っていく。デザインした作品が売れたかどうかを、仕事を頼んでくる方はそんなに気にしないですよ。大切なのは、「この人に頼んだら、どういうものを作って貰えるか」が認知されることです。それには、もちろん日々の練習での蓄積も大切ですけど、それよりも、ちゃんと作品として世に出ている成果を積み上げていくことです。つまり、作品を世に出すチャンスがきたらそれを逃さないようにということですね。


あらすじ

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第1話「青い瞳のキャスバル」

宇宙世紀0068年、サイド3、ムンゾ自治共和国。宇宙に進出した人の革新を説き、地球連邦政府からの完全独立を宣言しようとしたジオン・ズム・ダイクンは、議会檀上で演説中に突如倒れ、帰らぬ人となった。ダイクンの死後、ザビ家陰謀説を唱えるダイクンの側近ジンバ・ラル。しかし、サイド3、ムンゾの実権を掌握せんとするデギン・ソド・ザビ率いるザビ家の暗躍は加速していく。これまで語られる事の無かった動乱の歴史が明らかになる中、ダイクンの遺児であるキャスバルとアルテイシアには、激動の時代を象徴した数奇な運命が待ち受けていた…。

GundamOr11

第2話「哀しみのアルテイシア」

宇宙世紀0071年。サイド3、ムンゾ自治共和国を脱出して3年。ジオン・ズム・ダイクンの遺児であるキャスバルとアルテイシアの兄妹は、ジンバ・ラルと共に地球に逃れ、テアボロ・マス家に身を寄せており、エドワウとセイラという名で平穏に暮らしていた。だが、彼らを追うザビ家の魔の手が、再び迫りつつあるのであった…。そのころ、サイド3はジオン自治共和国と国名を変え、ザビ家が実権を掌握し、支配体制を固めつつある一方、地球連邦軍に対抗するための新兵器、モビルワーカーの開発に着手していた。

GundamOr12

第3話「暁の蜂起」

宇宙世紀0074年。テキサス・コロニーを離れたエドワウ・マスは身分を偽り、シャア・アズナブルとしてジオン自治共和国国防軍士官学校に入学する。同期となったザビ家の御曹司ガルマと親交を深めるシャア。次第に二人は学生たちからも一目置かれる存在になってゆく。そして宇宙世紀0077年、ついに学生たちは独立をかけ地球連邦軍治安部隊に対し武装蜂起する。しかしそれはシャアの描く復讐への壮大なシナリオの幕開けでもあった…。いま、歴史の歯車が回りだす!

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