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Minna and the dream builders

(進捗状況: 企画段階)

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監督: Kim Hagen Jensen

プロデューサー: Nynne Selin Eidnes, First Lady Film (Denmark)
対象: ファミリー
制作方法: 3D デジタル


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「Minna and the Dream Builders」は、Kim Hagen Jensen監督とFirst Lady Film (デンマーク) のNynne Selin Eidnesプロデューサーにより企画・制作が進められているオリジナル長編アニメーション映画プロジェクトです。本作品は、夢の世界の舞台裏にいるDream Builder (人々の夢を作っている生き物) 達に出会ったMinnaという女の子を中心にストーリーが展開していきます。ある日、Minnaは、彼女に意地悪をしてくる義姉妹に仕返しをしようと彼女の夢に介入したところ、彼女の夢の世界に深く入り過ぎてしまい、義姉妹は昏睡状態に陥ってしまいます。義姉妹を助けて家族の絆を取り戻したいMinnaは、Dream Builder達と協力して義姉妹救出の冒険に出発します。

Cartoon Movieでは、本作品のプロジェクトチームが、しっかりしたストーリーを作り出すために、クリエイターを集めて2週間に渡るワークショップを開催し、とても効果的であったことが 紹介されました。Animationweek編集部は、Kim Hagen Jensen監督とNynne Selin Eidnesプロデューサーに、ワークショップの詳細など、本プロジェクトの舞台裏についてお話を伺いました。

Kim Hagen Jensen氏とNynne Selin Eidnes氏へのインタビュー

ストーリーの構築

Animationweek (AW): 本作のストーリーの着想はどこから得られたのでしょうか。

Kim Hagen Jensen (KJ): 実は、私自身の経験からなんです。夢の世界の舞台裏に行くというとても不思議な夢を見まして、その体験からストーリーを思い付きました。

AW: プレゼンテーションで、ワークショップを行ったと話されていましたが、どのような感じのワークショップだったのでしょうか。

KJ: 本プロジェクトを動かし始めたばかりの頃は、数人の脚本家と密に話し合っては脚本を練っていたのですが、私のアイデアを伝えても、なかなかストーリーとして纏まりませんでした。異なる現実世界を行き来する部分を上手くストーリーに落とし込むことに凄く苦労していました。2人の脚本家と、1年半以上だったでしょうか、長期に渡って一緒に脚本に取り組んだ後、3人目の脚本家に参加して貰ったのですが、それでも納得いかない箇所を全てクリアすることが出来ませんでした。そこで、アーティスト、監督、作家などに1つの部屋に集まって貰って、そこで2週間のワークショップを開くことに決めて、ワークショップを開くための資金も調達しました。

2週に渡って毎日8時間、ストーリーだけを、ひたすらに話し合いました。そこでは、私達がクリア出来ずにいた多義に渡る問題についての議論が行われ、なんと、その全てを解決することができました。非常に難しいチャレンジでしたが、最終的に、ストーリー制作上の全懸案事項において、求める方向性の明確なアイデアが得られました。

私が最初に創作したオリジナルストーリーは、夢の世界を舞台にしたファンタジーだったのですが、ワークショップを終えた時には、主人公の女の子が、自身の問題を解決する為に、どの様に夢を活用するかというストーリーに進化していました。そして、脚本家は、ワークショップの成果を持ち帰って腰を落ち着けて執筆に取り組み、なんと3週間でほとんど修正の入らない初稿を書き上げてしまったのです。どれもこれも全てワークショップのおかげです。

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AW: ワークショップは、通常とは違うアプローチだったということでしょうか。

Nynne Selin Eidnes (NE): 私自身は、本作の前から映画制作に携わって来ていますし、ワークショップに関しても活用して来ていて有用なことは理解していました。実を言うと、今回の様なワークショップの活用方法を、私はPixarに関する全ドキュメンタリーと全書籍をチェックすることで、彼らから学んで来ました。それで、今回、「Pixarと同じ様なスタイルのワークショップを開きたい」と提案したんです。ご存知の通りPixarは資金が豊富ですから1年もの長い期間のワークショップを行うことも可能ですが、一方で、私達がメンバーを1つの部屋に集めることが出来た期間は、たったの2週間でした。いずれにせよ、「あぁ、これはどうしよう。あれはどうしよう」と1人で悩むのでは無く、1つの部屋に集まった本当に素晴らしい人達にすぐに話し合えるワークショップは、ストーリー作りを進展させる上で、非常に優れた方法だと思います。今回集まって貰った人達の中には、長編映画制作の経験があって制作過程でどんな問題が起こり得るかを知っている監督が数名いましたし、アニメーション映画用の素晴らしいコンセプトアートを何枚も描いてきているストーリーボードのアーティストも数名いて、何が上手く行き何が実現出来ないか教わることが出来ました。私は、このワークショップこそが、アニメーション企画をしっかり進展させることができる唯一の方法ではないかと思っています。

KJ: ワークショップをする前は、ストーリー作りが、本当に何をしても上手く行かなくて、14稿ものプロット (トリートメント) を作成しても納得の行く物に成らなくて、諦めようかと思った時もありました。でも、ワークショップが全てを変えてくれましたね。以前の原稿にあったアイデアも沢山活かすことが出来たので、それまでの努力が全て無駄になることもありませんでした。ワークショップを通して、様々なアイデアを採用すると同時にそれらを作り直して、綺麗に1つのストーリーに纏めることができたと思います。是非、皆さんにも、こうしたワークショップをお薦めしたいですね。

視覚化のプロセス

AW: 夢というテーマは、アニメーション化するのが難しそうだなと思ったのですが、今回拝見したビジュアルイメージはどれも素晴らしいですよね。これもワークショップの成果ですか。それとも、最初からこれらのイメージがあったのでしょうか。

KJ: 部分的にはワークショップに助けられましたが、なにぶん実際に私の頭で見た夢ですから、視覚化はそれ程難しくはなかったです。

NE: 夢というのは、毎晩、新しく創作される劇場の演劇みたいに考えることが出来ると 私は思っています。人は夢を見ている時、1つのことに集中しますよね。だから、私のこの考え方は大きくは間違っていないと思いますよ。例えば、夢の中で電話を見た時、あなたに見えるのは電話だけで、それ以外は視界に入りませんよね。この夢の中における視覚効果は、まさに劇場で劇を見るのと同じ状況です。例えば、劇場の舞台上に、1つの非常に大きな電話が舞台設定として置かれている様なイメージです。私達が夢を視覚化する際の手法は、こうした舞台における誇張表現と同じ考え方です。私達の中で、この視覚的な考えは最初から明確で、この部分はずっと変わっていません。少なくともこの点だけは凄く明確でした。

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AW: その視覚効果を具体的にどうビジュアル化されたのですか。

KJ: 大勢のアーティストと色々なビジュアルを試行錯誤してから、それぞれのビジュアルを部分的に使いました。私自身、アーティストですから、私が、それぞれのビジュアルからベストな部分を取り出して組み合わせたんです。それから、大変素晴らしいコンセプトアーティストの方に、その私の描いたビジュアルをベースに新しく描いて貰いました。ですから、10人のアーティストの作品を混ぜ合わせたビジュアルとも言えますね。

AW: 大変可愛らしく、それでいて、独創的でアーティスティックなコンセプトアートなので、一体どのように作成されたのだろうと興味津々だったのですが、なるほど、その様に制作されたのですね。

KJ: はい。大変な労力を要するプロセスで、色々なアーティスト達と試行錯誤を重ねながら、ビジュアルやストーリーの答えを見出だして来ました。ですから、ゆっくりとではありますが、着実にここまで歩んで来たという感じですね。

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キャラクターに入り込む

AW: 家族全員がそれぞれに共感できるストーリーを、どのように作り上げたのでしょうか。最初から家族層を対象に考えていたのでしょうか。

KJ: これもワークショップの成果です。ワークショップを通して、私達はキャラクター達に関して、より多くの質問を投げ掛け合う様になりました。彼らの生活がどの様なものなのか考え始めたのです。

最初は、学校でMinnaに意地悪をする女の子という設定のキャラクターだったのですが、「もし彼女がMinna の姉だったらどうだろう?」と、ワークショップでは2人が実際の姉妹という設定でしばらく考えてみました。でも、実の姉妹が本当の敵になることは難しいですよね。ある意味、いつまでもお互いを大切に思っていますから。それで、そこから「では、本当の姉妹ではなくて、義姉妹だったらどうだろう?」というアイデアに発展させたのです。

そして、ワークショップの部屋にいたほぼ全ての人に、誰かしら離婚経験のある知人がいたこともあり、2-3日かけて、両親の離婚から生活を立て直そうとしている子供達に関するお互いの知識と経験をベースに話し合いました。そして、これは凄く興味深いことですが、私達はその時、何と言うか、凄く説得力のある議論をすることが出来ていると感じていました。ワークショップをする前には全く考えていなかった新しいアイデアが、ワークショップを通して生じて発展して行ったのです。

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AW: 自然発生的なものということですね。

KJ: まず、Minnaという少女がいて、そして、彼女には悪い方法で倒そうとしている敵がいるというのが最初のアイデアでした。それが、話し合いをしているうちに、義姉妹が敵として最適だということに、私達は突然気付いたのです。キャラクターに入り込んで深く理解することによって。

NE: Minna位の年齢の女の子達は、まだ男の子のことを意識し始めていませんし、両親から独立して行動できるだけの成長はしています。そして、彼女達の日々の暮らし の中で最も重要な人達は、友達や姉妹です。私達は「生活の中で一番大切な人達が突然敵になる」ことをストーリー運びの軸にしたのです。

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KJ: 私達は、力強いストーリーを作れたことを実感したのと同時に、痛みを伴う決断もしなければなりませんでした。私達には、夢の世界で起こる不思議なことのアイデアが沢山あり、それらは映像化すると凄く素晴らしくて格好良く、作品から除外することは非常に辛い決断でしたが、私達は泣く泣く諦めなければいけませんでした。 その決断に値する力強いストーリーですし、義姉妹のストーリーにする為の余地を用意する必要もありました。ただ、沢山の素晴らしいビジュアルを作品から取り除き、代わりにキャラクターに関係する力強いアイデアに置き換えることに対して、私は非常に不慣れで、とても困難な挑戦でした。私はどちらかというとビジュアル派の人間なので、叙事的で素晴らしいイメージを作品から外すことは本当に辛かったです。

AW: 特に、ご自身で見た夢のビジュアルとなれば、本当に辛い決断になりますよね。

KJ: その通りです。でも、例え映像的に美しい映画を作ることが出来ても、感情移入できるキャラクターがいなければ、それは、ただ美しいだけの映像になってしまうことに気が付けたことで、私達の作品制作において、人の感情の方が遥かに興味深い関心事になったのです。

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誰もが共感できる映画

「Minna and the Dream Builders」には、家族全員が楽しめて共感できる要素が詰まっています。家族とは何かを考える機会を与えてくれて、子供達はストーリーだけでなくDream Builder達が作り上げる夢の世界も楽しめる作品になることでしょう。Jensen監督がCartoon Movieで述べた様に、制作チームは、夢を、キャラクター達の内面にアクセスするとてもユニークな手段として用いました。そして、監督の目指した、魅力的で楽しく鑑賞できるストーリーでありながら、現在の子供達が直面する問題にも触れる作品になっています。

本プロジェクトは、脚本、コンセプトブック、ティーザーが完成し、後少しで制作に移る段階です。そして、スウェーデンにあるSnowcloudスタジオのPetter Lindblad氏を共同制作パートナーとして迎え、2018年秋の公開を目指しています。

あらすじ

少女Minnaの人生は、父親の新しい婚約者と娘のJennyが引っ越して来たことで大きく変わり始めます。義姉妹のJennyが凄く意地の悪い子なことがわかり、Minnaはイライラして、Jennyなんていなくなって欲しいと思う様になります。ある夜、Minnaは、彼女の夢の舞台裏にある、Dream Builder達が私達の夢を作っている世界を発見し、Jennyの夢を操作出来ることに気が付きます。しかし、Jennyの夢への介入には恐ろしい結果が待ち受けていて、Minnaは彼女の夢の世界に深く入り過ぎてしまい、Jennyは昏睡状態になってしまいます。誰もが、Jennyの昏睡を事故だと言いますが、Minnaはそれが自分の責任であることを知っています。Jennyと新しい家族を救う為には、Minnaは、もう一度 Jennyの夢の世界に入って彼女が作り出した悪夢に正面から向き合わないといけません。そして、Minnaは家族を元通りにするという彼女の願いを実現するには、Jennyを目覚めさせるしかないことを知るのです。


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